てんかんの発症に年齢は関係ある?

てんかんはいくつなら発症する、いくつなら発症しないというものではなく、そもそも年齢と発症との間に直接的な関係はないと言われています。
条件さえ揃えば年齢に関係なく発症します。しかしながら、てんかんが発症しやすい年齢の傾向というものは存在します。
よく言われるのは、てんかんは子どもの病気、という事です。
これは正確ではありませんが、確かに子どもの発症率が高いのでこういう認識が広がっています。

てんかんは脳になんらかの障害があることが原因で起こる症候性てんかんと、原因がよく分からない特発性てんかんの2種類に大別されます。
脳の障害を持って生まれてくる赤ちゃんや分娩時の事故で脳障害になってしまう赤ちゃんがいて、これらの子どもたちの中に症候性てんかんを発症する例が見られます。
そのため生まれてから1歳までの発症率が他の年代に比べて高いという関係性が見られます。
ついで12歳程度までに発症する例が多いのですが、この時期には特発性てんかんの発症が増えます。
この年齢の特発性てんかんの場合には治療によって成人に達するまでに治ることもしばしばあります。
成人になると発症例はぐんと少なくなります。

ところが60歳を過ぎた高齢者では再び発症する割合が上がってきます。
欧米の研究によると、70歳以上では10歳未満よりも発症率が高くなるという結果が出ているものもあります。
これは高齢者では脳血管障害などの脳障害が増えてきて、これが原因となっててんかんを発症しやすくなるのです。
全体的に年齢と発症の関係性を見てみると、若年層と高齢者が高く成人が低いUの字のカーブを描いています。

またてんかんは小さい時に発症すると完治する人も見られますが、多くは継続的に治療を必要とします。
そのため年齢と患者数の関係性は、高齢者になるほど患者数が増える正の相関があります。
特に小児の頃の増加スピードと60歳以上の増加スピードが高くより急な傾斜がみられます。

高齢者が発症しやすいてんかんの種類について

成人に達するとあまり発症しないてんかんですが、60歳を過ぎた頃辺りから再び増えだします。
これは子どもと違って原因が分かっている症候性てんかんが約3分の2を占めています。
また一旦は完治したものが再発する例も高齢者ではしばしば見受けられます。
高齢者がてんかんになる原因としてはまず脳卒中が挙げられます。
脳卒中になった高齢者が将来的にてんかんを起こす危険性は、軽度のものも含めると50パーセント以上と大変高い数字です。

またアルツハイマー病などの脳神経が変性してしまう病気によっても引き起こされます。
アルツハイマー病は側頭葉の内側の海馬を変性させるため、症状としては側頭葉てんかんとして現れます。
高齢者ではこの側頭葉てんかんが実に全体の7割に達します。

その特徴は自動症です。
これは、口をモグモグさせたり身振りをしたりする動きの事です。
本人が意識しているのではなく体が勝手に動いていて、同時に記憶障害が発生する場合が多いです。
その他の症状としては動作が止まったり、自律神経の失調による腹痛や嘔吐などや記憶の混乱から来ると思われる既視感や未視感、フラッシュバックや恐怖感という不安定な精神状態などが挙げられます。

ところがてんかんの一般的な症状とされるけいれんが見られないために正しく診断されにくいという点も指摘されています。
高齢者の場合には発作の回数も多くなる傾向があり、発作の間は意識が消失している状態です。
これが連続すると、周囲からはずっとぼうっとしていて記憶がないと認識されてしまい、認知症と間違われえてしまう可能性もあります。
高齢者がかかりやすい病気にはてんかんの症状と極めて見分けにくいものも多数あります。
これらを見分けるには脳波測定を行うことが有効です。